プレスリリース

【学会登壇】日本子ども虐待防止学会第29回学術集会滋賀大会のシンポジウムに登壇いたします。

認定NPO法人「SOS子どもの村JAPAN」( https://www.sosjapan.org/ )は、オーストリアに本部を置き130以上の国と地域で活動する国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人です。当法人は、子どもと家族が地域社会から孤立することによって生じるさまざまな課題を解決するために、「里親制度」を活用した「地域の家族支援」として「里親による子どもショートステイ」を福岡市全域で展開しています。

日本子ども虐待防止学会第29回学術集会滋賀大会( https://jaspcan29.org/ )のシンポジウムに登壇することが決定いたしました。虐待防止の取組み「里親ショートステイ」の実践の事例について共有いたします。

  • SOS子どもの村JAPANの「里親ショートステイ」事業が取り組む社会課題

子どもと家族が地域社会から孤立することによって生じる、さまざまな問題に取り組んでいます。
その中で「里親ショートステイ」事業については、以下の社会課題と向き合いながら、日々活動を続けています。

①”孤育て”の現状

福岡市は人口が増え続ける一方で、「孤育て」の課題があります。小学生の保護者の4人に1人が、子どもを預けられる親族や友人・知人がいないと感じながら子育てをしていることが分かってきています。

福岡市「子ども・子育て支援に関するニーズ調査(平成30年度)」
https://www.city.fukuoka.lg.jp/kodomo-mirai/k-soumu/child/kodomokosodateshiennikansuruneedschousaheisei30nendotounokekka.html

 

②子どもショートステイを利用する理由、第1位「育児疲れ」

福岡市内の子どもショートステイの利用日数は、現在も増え続けています。(令和3年度、子どもショートステイ利用日数 速報値 6,851日※R4年度 2月末までの数値)

そのうち、利用理由で1番多いのが「育児疲れ」。孤立を感じながら子育てをしている家庭が多く、またその多くが、ひとり親家庭であり、繰り返し利用をしながらなんとか生活をしているということが、この事業を通じて分かってきました。

地域から子どもと家族が孤立した状態が長引くと、親子が「SOS」を出していてもその声を拾うことができず、虐待リスクが高い環境下で子どもたちが生活しているのではないか?と、非常に高い危機感を持ちます。

  • SOS子どもの村JAPANが取り組む「里親ショートステイ」とは

地域の里親と協働をしながら、子どもたちの一時預かりを行なっています。SOS子どもの村JAPANでは、利用する家族と里親家庭をつなぐコーディネーターが、ショートステイのマッチングや調整、送迎、そして地域のさまざまな支援にもつないでいます。

福岡市との協働で開始したこの事業は、2014年から福岡市西区を中心に開始し、2022年からは福岡市全域にまで広がっています。2023年2月に開催した「里親ショートステイ全国ネットワーク会議」では、28都道府県/100団体の方から参加をいただき、「虐待予防の在宅支援の切り札」として注目をされております。

子どもひとりひとりの状況に合わせながら家庭環境で預かることができる、里親による「子どもショートステイ」は地域による身近な家族支援として全国から注目をされています。

分科会企画 概要「里親ショートステイを活用した要支援家庭への家族支援の実際」

■企画者
・橋本 愛美(特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPAN」)

■発表者
・堀 純子(福岡市子ども家庭支援センター「SOS子どもの村」)
・川嶋 久美子(子ども家庭支援センターぎふ「はこぶね」)
・田中 典子(明石こどもセンター)
・上鹿渡 和宏(早稲田大学人間科学部 教授/社会的養育研究所)

発表1:福岡市における里親ショートステイの実際
発表者:福岡市子ども家庭支援センター「SOS子どもの村」堀 純子

「SOS子どもの村」は児童家庭支援センターの在宅支援のプログラム開発として、福岡市児童相談所や西区役所とともに、「みんなで里親プロジェクト」に取り組んできた。2019年からの3年間の西区モデル事業を経て、2022年度から福岡市全市で展開している。

全市展開によって里親によるショートステイの受入数は倍増し、要支援家庭の利用も増えてきている。特に、利用者宅までの送迎を行う里親ショートステイは、遠方の施設まで子どもを送迎する余力もないような危機的な家庭への支援としても活用されている。

本発表では、里親ショートステイを実施する中で見えてきた、里親ショートステイの有効性と、一方で特に要支援家庭のショートステイ利用時に生じるケースワーク・ソーシャルワーク上の課題についても報告し、里親ショートステイ推進のために必要な取り組みとは何かをお伝えしていきたい。

なお、個人情報保護等倫理的配慮に十分注意し発表を行い、また、利益相反はありません。

発表2:フォスタリング機関における里親ショートステイの実際
発表者:子ども家庭支援センターぎふ「はこぶね」川嶋 久美子

児童養護施設でのショートステイ受入れから、里親ショートステイを行うに至るまでの経緯

児童家庭支援センターでショートステイの受入窓口を行っていることのケースワーク上の利点

施設ショートステイと里親ショートステイの役割分担

ショートステイ終了後の家族支援への支援展開

発表3:里親は地域の子育て支援拠点 〜ショートステイ里親から広がる親子の笑顔〜
発表者:明石こどもセンター 田中典子

市をあげた里親普及啓発の取り組み「あかし里親100%プロジェクト」、里親のリクルート

里親ショートステイ導入の経緯と実施までのステップ

里親ショートステイを活用した要支援家庭への支援の実践例と今後の課題

日本子ども虐待防止学会第29回学術集会滋賀大会 概要

■日時:2023年11月25日(土)・26日(日)
■会場:びわ湖大津プリンスホテル/立命館大学 びわこ・くさつキャンパス

《 日本子ども虐待防止学会第29回学術集会滋賀大会 公式HP 》

URL:https://jaspcan29.org/

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