プレスリリース

【11月20日は世界こどもの日】”すべての子どもが家庭で育つ”ために

A loving home everychild. すべての子どもに愛ある家庭を

認定NPO法人「SOS子どもの村JAPAN」( https://www.sosjapan.org/ )は、オーストリアに本部を置き130以上の国と地域で活動する国際NGO「SOS Children’s Villages International」の日本法人です。当法人は「子どもの権利条約」に基づきながら「子どもが家庭で育つ権利」を保障する取り組みを、福岡市内を中心に展開しています。

11月20日は「世界こどもの日」。子どもの権利条約に基づき「すべての子どもは、家庭環境のもとで成長すべきである」ということを目指した、SOS子どもの村JAPANの地域の家族支援の事業をご紹介いたします。

国連「子どもの権利条約」とは

国連「子どもの権利条約」は、すべての子どもに「生きる」「育つ」「守られる」「参加する」という基本的権利を保障する国際条約です。この条約は1989年に国連総会で採択され、1990年に発効しました。日本政府は1994年にこの条約を批准し、2021年時点で196の国と地域が締結しています。

SOS子どもの村のすべての活動は、この国連「子どもの権利条約」の精神にのっとり、条約の中で宣言されている、「すべての子どもは、家庭環境のもとで成長すべきである」の実現実現に向けて活動しています。

◆子どもの権利条約 条文(一部翻訳)

  1. 永続的(パーマネンシー)な関係を保障するため、安定した家庭(養子縁組)を用意するべきです。
  2. 3歳未満の幼児は、必ず家庭を基盤とした環境の中で養育されるべきです。
  3. 子どもが家庭に復帰できるようにするために、子どもに関わる専門家のアドバイスを取り入れながら、さまざまな関係者(子ども、家族、養育者)が話し合いながら、最善の方法を模索するべきです。

出典:ユニセフ 子どもの権利条約 https://www.unicef.or.jp/about_unicef/about_rig.html

・日本における「社会的養護」の現状について

さまざまな理由で家族と離れて暮らす子どもたち

日本には、虐待、病気、貧困など、さまざまな理由で家族と離れて暮らす子どもたちは約42,000人。その子どもたちは、家族と離れたあと、児童養護施設や里親家庭など、社会で子どもたちを養育する「社会的養護」のもとで暮らしています。

 

30年間、増え続ける虐待相談対応件数

「虐待相談対応件数」は、1990年に統計を開始して以降、一度も減少することなく増加しつづけ、2021年には年間20万件を突破し過去最多を記録しました。※2023年現在 219,170件

核家族化が進み、ひとり親世帯が増加する中で、地域社会から家族が孤立することで養育に困難を抱えている家族が多いことがうかがえます。

 

なかなか増えない、日本の代替養育の数と、難しい里親養育

増え続ける虐待相談対応件数に対し、社会的養護のもとで生活できる子どもたちは、とても少ない状況が続いています。つまり、社会的養護のもとで生活することができずに、厳しい状況のまま生活を継続している子どもが増え続けていることがうかがえます。

里親が少ない日本では、社会的養護の子どもたちを受け入れる定員の数(里親や児童養護施設等の定員数)は50,000人〜60,000人程度しかなく、この定員の数は30年間ほとんど変化がありません。また、里親が少ないため、家庭的な環境で暮らすことができる子どもたちは全体の約20%に限られています。

一方で、里親への支援の仕組みが充分ではないため、養育に不調をきたす家庭も多く、支援の仕組みや、養育の質向上のためのプログラムが必要とされています。

SOS子どもの村JAPANの取り組み

「子どもの村福岡」での養育の取り組み

2010年4月に福岡市西区今津に開設された「子どもの村福岡」では、さまざまな理由で、親と離れて暮らす子どもたちと育親(里親)が共に生活しています。

家族と離れて暮らす子どもたちに代わりとなる家庭を
自然に囲まれ、海から近い場所に位置した「子どもの村福岡」では、地域の方々に見守られながら生活しています。育親が子どもの親代わりとなり、ともに家庭をつくり、子どもと愛着関係を築くことを大切にしています。子どものアイデンティティや自尊心、他者への思いやりを育むことを目標としています。

 

家庭的な環境で子どもたちを育てることを大切にしています。子どもたちが心から安心し、健やかに育つことが出来るように、専門的知識を持つ職員などが1つのチームとなり、複数の人が関わりながら子どもたちの養育を行っています。

 

このように、「子どもの村福岡」は、家庭的な環境で子どもたちを育てることを重視し、彼らの心身の健康と幸福を優先しています。専門的な養育と地域社会の支援により、子どもたちは愛情ある環境で成長する機会を得ています。

 

◆「子どもの村福岡」HP
URL:https://www.sosjapan.org/childrens-village-fukuoka

里親家庭による、子どもショートステイの取り組み

©︎Ryuto Sato

育児疲れを感じるなど、子どもと一時的に離れて暮らしたいという保護者が増えています。「子どもショートステイ」は、福岡市の子育て短期支援事業の一環として、このような保護者のニーズを受け止めるために実施されています。

 

この「子どもショートステイ」は、地域に根差した家族支援の形として全国から注目を集め、地域の里親家庭が協力して、これらの子どもたちを家庭環境で受け入れています。各子どもの状況に合わせたケアが提供され、家庭的な環境での預かりが可能です。

 

福岡市内の里親によるショートステイの受入れは、2014年にプロジェクトが始まって以来増え続けておりますが、「子どもショートステイ」の利用ニーズは年々増加の一途をたどり、利用申し込みの多くをお断りしなければならない状況です。

 

「里親って?カフェ」というイベントを月に1回開催し、新たなショートステイ里親を募集しています。これは地域の家族支援の担い手を増やすための取り組みです。新たな地域の家族支援の担い手となってくださる方が必要です。ぜひ興味・関心のある方はご参加ください。

 

◆里親ショートステイ事業「みんなで里親プロジェクト」
URL:https://local.sosjapan.org/

私たちの想い

人が子ども時代、どのような人と出会い、どのように過ごすかが、その後の人生に決定的な影響を与えることは、さまざまな研究や事例が示しています。SOS子どもの村JAPANは、「すべての子どもが愛ある家庭」で子ども時代を過ごすことで、それぞれの子どもがその子のあらゆる可能性と能力を見出し、社会で自立していくことを支援しています。

12/1(金)里親って?カフェを開催いたします。

ずっとじゃなくても大丈夫です。ときどき、里親になりませんか?

里親って、子どもが小さい時から大きくなるまで、長い間育てていくイメージがありませんか?

“ショートステイ”とは保護者の病気や育児疲れなどの理由で、一時的に子どもを育てられなくなった時、原則7日間以内、預けることができる福岡市のサービスです。

 

数日間だけでも里親家庭を必要としている子どもたちが、皆さんを待っています。

 

ぜひご参加ください。

【日時】
2023年12月01日(金) 10:30  〜 12:30

【開催場所】

さざんぴあ博多

〒812-0883 福岡県福岡市博多区南本町2丁目3−1

さざんぴあ博多・第2会議室C

雑餉隈駅から徒歩6分

《 クレジット 》
・Photo by Ryuto Sato( https://www.instagram.com/ryutosanto/
・Photo by ALBUS( https://albus.in/

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