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【メルマガ限定記事】コラム「やっぱり親子は離れないほうが良い」半年間であった私の変化

広報を担当しております、渡辺睦美です。

26歳、女性、独身。地元は東京で、3月末までは山梨で働いていました。
社会人になってから福岡に来るまでの7年間、宿泊業・旅行業界で働いており、この4月から初めて児童福祉業界で働くことになりました。

私の役割は法人の広報全般を担当しております。
現在、ウェブサイトのリニューアルを準備しています。

しれっと告知をしてしまいましたが、SOS子どもの村JAPANのウェブサイトが、リニューアルします!お披露目まで、皆様お待ちいただければ嬉しいです!

入職してから早くも半年が経ちますが、私の中でたくさん心境の変化がありました。
その中の変化のひとつをまとめて、コラムにしてみようと思います。
メールマガジンの方限定で、公開させていただきますね。

先日(9/16)行われた『子どもの村って?カフェ』にご参加いただいた方はご存知だとは思いますが、私が育ってきた”子ども時代”は、お世辞にも良い家庭環境ではありませんでした。

20歳になるまでのほとんどの時間、親元から離れた生活をしていました。とてもハードな家庭環境だったと思います。
わたしがなぜ、”SOS子どもの村”で働くようになったのかというと、「自分が持っているスキルを使って、家庭環境が大変な子どもたちを、ひとりでも多く救いたい。」と本気で思ったからです。

そんな思いを抱いている一方で、自分の育ってきた環境はとても大変で、困難を抱えた家庭環境だったために、子育てに対して、どうしても肯定的な感情は持つことができずにいました。

ストレートな表現で書き起こすと、「自分に子育てはできるのだろうか」。
親の背中を見ているために「子育ては本当に厳しくて大変だから、私には向いてない」とか。
「育ってきた環境が大変だった私なんかが、子育てをしても良いのだろうか?」などと考えていました。

でも私が抱いていたそんな思いを、塗り替えるような出来事があったので、勇気を出して共有してみようと思います。

先日、古くからの友人と会ってきました。地元は同じ東京。
現在、彼女は熊本に移住し生活しています。

SNSでも繋がり、近況を細かくシェアしてくれていたので、4年ぶりに会ったにも関わらず久しぶりとは思えませんでした。
現在の彼女は、3人の子育てをしながら、夜も昼もほとんど休みなく働く、毎日がハードスケジュール。旦那さんと協力しながら仕事と子育てを両立している様子を明るく笑顔で話してくれました。

身体的にも、精神的にもきっと大変なはずなのに、そんなことを微塵も感じさせずに笑顔で話す彼女の姿が、とても印象的でした。

その中で彼女が言った「ここで出来た友達に本当に、支えてもらっている」という言葉が心に残りました。
彼女が家にいる間は、どんな子どもたちでも家に来て良いように、鍵を開けているようです。

そして「気が付いたら別の子どもたちが、家に遊びにくることはしょっちゅうある」と言っていました。
本人が「どうしても」の時は近くに住んでいる友達や、旦那さんのご家族に頼ることもあるみたいです。

子どもたちは本当に人懐っこく、初めて会ったとは思えないくらい心を開いてくれて、
帰り際には「また遊んでね」と手をぶんぶん振っている姿に、思わず笑顔になってしまいました。

そんな彼女のタフな姿に心を打たれながら、子どもたちの笑顔を思い出しつつ、自分のなかに溢れ出てくる、言葉では表現できない感情を抱いてしまいました。

どんな感情なのか、私の中でまったくわからず、泣くのをずっと堪えていました。

「状況だけを見ると、ハードワークをこなしていて、絶対に大変なはず。休みなく働いて疲れているはずなのに、なぜあそこまで明るく笑顔で居れるのだろうか?」

その時は明確な答えを見つけ出せないまま、福岡に戻ってきました。

少し、私たちの活動についてお話します。
私たちは福岡を中心に”地域で子どもたちが孤立しないため”に、活動をしています。

『家族と離れて暮らす子どもたちが安心して暮らせる環境を整えること』はもちろん、『家族と離れなければならないほど深刻な状況になる前に、留まるためにはどうしたら良いか?』を本気で考え、日々活動に取り組んでいます。

私は、友達と会ったことをきっかけに”家族(子どもたち、お父さん、お母さん)”が持つ力や、”地域”が持つ力の可能性を目の当たりにし、頭にカミナリが落ちるほどの衝撃を受けたのだと気が付きました。

「やっぱり、親と子どもは離れて暮らさないほうが良い」

熊本から福岡に戻る帰り道に感じていた、言葉に表すことができなかった感情を、数日たったいま、少しずつ表現できるようになってきました。
振り返ってみるとそれは、「子ども時代の私」としてではなく、「1人のおとな」として素直に感じた”想い”なのだと捉えています。

この「親子が離れないほうが良い」ということは、自分が生きてきた過去や、親元を離れて生活してきた「子ども時代の私」を否定することになります。
それは私にとって、とても苦しい作業です。いまでも様々な方に支えてもらいながら、この現状に向き合いつつあります。

あの時に感じた私の気持ちを忘れることなく、SOS子どもの村の活動を、まずは福岡で広げていくこと。

実践で得た知見、地域の持つ可能性を、福岡以外の地域にも発信というツールを使い、広げていくことで、孤独な環境に置かれている”子どもたち”やその”家族”にとって、少しでも支えになるキッカケのために。

私は計り知れない可能性を信じ続けながら、今日もこの仕事を全力で取り組んでいきたいと思っています。

活動を応援してくださる方、ぜひご寄付をお願い致します!
私たちの活動はみなさまからの暖かいご支援で支えられています。

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