画期的な児童福祉法改正案が可決・成立しました!

2016.06.07

ニュース

画期的な児童福祉法改正案が2016年5月27日、国会で可決・成立しました!昭和22年に施行されてから今年で69年。はじめての大改正です。SOS子どもの村JAPANの坂本雅子も呼びかけ人の一人となって、改正のための署名を呼びかけさせていただき、多くの方のご参加があってこそ実現したものと思います。ご賛同いただきました皆様、本当にありがとうございました!

本改正では、子どもの権利条約の精神に則ることが第一条に謳われました。また、新設された第三条の二には、家族分離を防ぐために保護者(家族)を支援することが明記されました。そして、すべての子どもを養子縁組、里親を含む「家庭」で育てるという新しい「家庭養護原則」を明記しました。施設入所は、これが適当でない場合のみに限定し、しかもその場合でも「できる限り良好な家庭的環境」の施設にすることを義務づける内容です。国連「代替養育に関するガイドライン」にも則った画期的な内容となっています。今後、様々な子ども家庭福祉政策が展開されることとともに、自治体レベルでの「子どもの権利条例づくり」の広がりにも期待したいと思います。

代替養育と家族支援を専門とする国際組織である、SOS子どもの村の活動やプログラムが、今後ますます日本の子どもたちやその家族のために役立てられるよう、「すべての子どもに愛ある家庭を」というわたしたちのスローガンを胸に、職員一同新たな気持ちで取り組んでいきたいと思います。

 

※ニュースレター最新号に掲載しました児童福祉法改正についてのコラムを改正を受けて一部訂正させていただき、以下掲載します。

「児童福祉法」は、児童が健やかに生まれ、育成されること、生活を保障され、愛護されることを謳った子ども福祉の基本法として1947年(昭和22年)に定められ、70年の歴史を重ねてきました。国際的には、1989年(平成元年)、国連が「子どもの権利条約」を採択し、わが国はこれを1994年批准しました。子どもの権利条約は、子どもを「保護の対象」から「権利の主体」としてとらえ、子どもの最善の利益の考慮、親との分離の禁止、自己の意見を表明する権利、親の子育てを支援する国の責務などを定めた国際基準です。しかし、残念ながら、日本政府は、児童福祉法に条約の精神を盛り込む対応をしてきませんでした。

近年、子どもの貧困や虐待の急増など子どもと家庭を取り巻く環境は、厳しさを増し、国家的な課題になってきました。国は、これらへの対応を急務ととらえ、昨年、「新たな子どもと家庭福祉のあり方に関する専門委員会」を立ち上げ、児童福祉体制の再構築に取りかかりました。この専門委員会は、「児童福祉法の抜本的改革」に向けて、児童福祉法の理念に子どもの権利を明確に位置付けること、また、家庭支援を理念に位置づけること、そのための児童相談所と市町村の基盤強化、実家族と離れて暮らす子どもへの適切なケアなどを提言しました。
これを受けて3月29日、児童福祉法の改正案が国会に提案され、5月27日に国会で可決・成立しました。第1条に、児童の権利条約の精神に則ること、子どもの自立の保障、第2条に、あらゆる分野で子どもの意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮されること、第3条には、子どもの保護者(家族)の支援など子どもの権利条約の基本的理念が盛り込まれました。

○ 児童福祉法等の一部を改正する法律案(平成28年3月29日提出) についてはこちらをご覧ください。

○ SOS子どもの村 家族強化プログラムマニュアルについてはこちらをご覧ください。